はるか熊野へ思いをこめて

10世紀から13世紀、熊野街道沿いには祈祷(きとう)や読経(どっきょう)を行う儀礼所として、たくさんの「王子」が設けられました。市内には3カ所の王子があったとされ、そのうちの一つが信達牧野にある「信達一之瀬王子」であると伝わります。鎌倉時代のはじめ、建仁元(1201)年、歌人藤原定家(ふじわらのていか)の『熊野御幸記(くまのぎょこうき)』には、信達宿に宿泊した後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)の一行が「天晴るる払暁道にいでて信達一ノ瀬王子に参ず また坂の中において祓う」とあり、王子を参詣したときの様子が記されています。

熊野街道・緑の一里塚

2018年、信達一之瀬王子として伝わる場所に、あたらしく「熊野街道・緑の一里塚」が整備されました。江戸時代、全国の街道沿いには、一里(約3.927km) 毎に塚があり、旅人が道中の目印に、時には傍らの大樹の陰でほっと一息つける場所となっていました。
近年、熊野街道を徒歩や自転車で巡る人々が増えています。あたらしく整備された現代版一里塚は、かつて何日もかけて「聖地・熊野」を目指した人たちの思いにも重なる、道標の役割を果たしてくれるでしょう。

住所 泉南市信達牧野
電話番号 072-447-8811 (泉南市役所プロモーション戦略課)
アクセス 【電車】
JR阪和線「和泉砂川駅」徒歩約15分
【バス】
さわやかバス(山回り)「牧野北」徒歩約10分
備考 駐車場:なし

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